皆様
梅雨の時期、蒸し暑い毎日ではありますが、鮮やかなブルー、紫、そしてピンクや真っ白のアジサイを見ていると、心が爽やかになる気がいたします。
この度、『今、親ができるとても大切なこと。 親子関係をよくするストローク育児』と題して、本を出版いたしました。
私は長年子どもの精神科医として働き、現在、街の精神科医として働いております。子どもがどのように育てられていくのか、育っていくのかということを親子の関係から沢山見てきました。そしてまた、自分が育ってきた過去を思い出して、自分の中にある「もの足りなさ」「寂しさ」「痛み」を抱えきれないでいる大人たちにもたくさん出会ってきました。
親への怒り、過去への悔やみから抜け出せずに、今、この瞬間を安心して過ごせずにいることは残念なことです。
最近、亡くなっているのに7年間も誰にも気づかれずにいた男の子の事件がありました。このお子さんは、親ばかりでなく教育の場から、行政の場からも見捨てられていたということです。私の本の中にも、小学校2年生から14歳まで忘れられていた少女の話を書きました。30年以上前の、ほぼ同じ地域での話です。幸いに、この方は生き抜いています。
ようやく国を挙げて子育て支援に力を入れて、虐待への対策も法律など整備されてきています。それでも、子どもが痛めつけられる事件が続き、むなしくなります。私は、大人たちが、どうしたら子どもをいとおしく見守り、“どんなことがあっても守るのだ”という気持ちを持ちつづけていけるのか、問わずにはいられません。
人の心の原点に返って、その仕組みをひもときながら、あらためて子育ての大切さを考えてほしいとの願いから、この本を書きました。
どうぞ、私の本をお読みいただきまして、よいものと感じていただけましたら周囲の方々にお勧めいただけましたら幸せです。 |